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築浅マンションと築古マンションのどちらを買うべきか?

新築マンションが記録的な高値となるなかで、中古マンションに注目が集まっています。
リノベーションブームと相まって、中古マンションの価格もグングンと上がってきていますが、中古といっても築後年数はさまざまです。
どれくらいの物件を狙えば良いのか???悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
不動産コンサルタントが資産的目線から築年数と価格の適正なバランスを解きます。

土地と建物の相場変動は同じではない

新築マンションは手が出ないという理由で、中古マンションを検討される方が増えており、私にも中古マンションの購入に関する相談が多く届きます。
今回は、最近よくお答えする内容をまとめてみました。

不動産とは「土地及び建物」です。
しごく当たり前の話ですね。
でも一般のユーザーは、土地と建物が同じように相場変動していると思っていませんか??
ここ1年ほど不動産価格が上昇を続ける背景は、主に建築費高騰(高騰が続く理由は以前のコラムをご参照ください)によるもので、少なくとも地価の上昇だけによるものでありません。むしろ、地価は一定の頭打ちしているように感じます。

その証拠に新築マンションの上昇率と新築戸建の上昇率には差があります。
 同じ1億円の住宅でも、価格に対する建物比率が高いマンションは、戸建てに比べて上昇率が高くなるということです。

そして、中古マンションの相場が上昇している原因は、新築マンションの価格高騰によるのですが、新築からどんどん劣化していく建物の真価は現在の建築費と比べて、どの程度になるのでしょうか。

築古マンションの真価の見抜き方

今の新築マンションと中古マンションの価格変動をみていると、古いマンションほど変動幅(ボラティリティ)が大きいように感じます。
もともと安い価格で取引されていたことも影響して、その値上がりは10年前の2倍に達するようなマンションもあるでしょう。
特に築40年を超えるような築古マンションは、「リノベーション」という魔法を掛けられて、あたかも建物が若返ったように新築価格の60%~65%くらいで売り出されていますが、本当にそのような価値があるのでしょうか?

築浅のマンションは、現代の機能を持った建材や設備が付いているだけでなく、マンションそのものの建物価値を決めるコンクリートの躯体が新しくて、向こう50年も使用することができます。
これに対して、築40年のリノベマンションは、内装設備こそ現代のモノですが、マンションそのものの躯体が古いので、いずれ近い将来に建替え決議へ進む可能性があります。
 
躯体は、建物価値にとって一番大きな評価基準であり、少なくとも新築マンションの建物価格に対しては、残存年数に伴う減価償却が進まなければなりません。躯体の寿命を60年とすると1/3以下であるべきで、そこに内装費(1㎡あたり15~20万円程度)が加算された額が真価ではないでしょうか?
建築技術や建材の違いを無視しても、新築価格に対して40%~50%程度の価値しかないかもしれません。

総額が安い築古マンションに注意!

個々のマンションのユニークポイントによって、購入者の好みによって物件選びをするべきですが、資産的な側面からみると、現在の東京市場の中で、「築古VS築浅」に対する私の回答は「築浅」を選択するのが正解です。

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